
こんにちは、マフラーマンです。
ジブリ屈指の人気作品で文明崩壊した黄昏の世界を描いた風の谷のナウシカ。
この作品にはナウシカやミト、クシャナやクロトワといった魅力的なキャラが登場します。
それぞれ原作と映画でストーリーが違いますが、他にも広い点や意外な点にかけて違いがたくさんあります。
土鬼の存在やラストシーンの違いなど思い返せば色々浮かんできますね。
今回は風の谷のナウシカの原作漫画版と映画アニメ版の違いについて考察します。
漫画版と映画版の感想は以下の記事で執筆済み。
風の谷のナウシカ漫画版と映画版の違い一覧
どの作品でも原作とアニメではストーリーのつじつま上多少の変更点があります。それはナウシカも例外ではありません。
原作では二大国トルメキアと土鬼など様々な国家が登場しますが、映画版ではトルメキア(クシャナの部隊)、風の谷、ペジテのメイン三国しか登場しません。
なので描写のされ方や国家、登場人物が違ってくるのです。
映画版は2時間以内の上映となりますから、その時間内で世界観など様々な設定を凝縮し不必要な部分はカットしなければなりません。
漫画版と比較して登場人物や関わってくる国家が少ないのも、そのためかもしれませんね。
これからその一部を考察します。
土鬼が漫画版のみ登場する
ナウシカにはトルメキアの他に土鬼という国家が登場しますが、原作にしか出てきません。
その理由として「前述を照らし合わせると上映時間の都合上カットせざるを得ない部分に当てはまってしまった」からだと考察します。
そもそも土鬼は皇帝ミラルパを始めシュワの墓所、多数の小国家と色々な闇を抱えた国。
これだけ濃い要素が詰め込まれていますから、それらを全部説明するとなると映画の範囲内では収まりきらないでしょう。
なので、スタッフの方はあえて土鬼を国家ごとカットしたかもしれません。
管理人的にはケチャとナムリスの登場を期待していましたが、製作上仕方のないことですね。
漫画版の方が登場人物が多い
原作漫画版は映画版より密度が濃いので、登場人物の数も当然多いです。
原作のみに登場するのは以下の人物。
- ミラルパ
- ナムリス
- 墓所の主(庭の主)
- ケチャ
- ヴ王
数え切れないほどの数ですが、これだけ個性的なキャラが登場しているのです。
中にはナムリスのようにアニメに登場したら注目を浴びたであろうキャラも。
駿監督の意向とはいえ、ナウシカの続編が作られないのは本当に残念です。
トルメキア本国の描写は漫画版のみ
映画版では風の谷に侵略するトルメキア。原作では首都のトラス含めた本国の詳しい状況が描かれています。
国のトップであるヴ王の宮殿や首都の街並みも少しですが、どういった風景か観られます。
しかし、王家はシンボルの表現するように謀略が繰り返される非常に闇の深い一族。闇のあたりまで漫画版で詳しく描かれているので、新鮮ですね。
映画版でこういったトルメキアの詳しい内情はほとんど描かれません。
クシャナの国であるトルメキアを知りたい人は原作を読み通すことをお勧めします。
ペジテの生き残りの数
巨神兵を手に入れようとするトルメキアにより滅ぼされてしまった悲劇の工房都市ペジテ。
映画版ではペジテ市長やアスベル母含むたくさんの生き残りが登場しましたが、原作では避難船が墜落してしまったため、生き残ったのはアスベルただ1人のみ。
生き残りがたくさんいるのとたった1人しかいないのは全然状況が違いますね。1人だとなんだか心細いです。
スタッフ方は生き残りがたった1人なのはあまりにも残酷なので、映画ではマイルドになるよう生き残りを多く描いたのでしょう。
ただどちらにしろラステル(彼女については「【風の谷のナウシカ】ペジテの姫ラステルの人物像について考察!」で考察済み。)は原作映画両方で命を落としてしまうので、それはそれでかわいそうです。
ただ最終的には原作やアニメともに復興の希望が見えてくる点が唯一の救いだと思います。
ナウシカの赤い服の持ち主
映画の後半で登場する亀の紋章を象った赤い服。
映画版では、ペジテのラステルが所有していた高級な服ですが、原作ではマニの僧正様のところにいた娘さんが所有していました。
映画原作の共通点としては、持ち主は戦により既に命を落としてしまっており、その服をナウシカが着るようになる点。
服が王蟲の血により赤い服から青い服に変わる点も共通しています。
よくネット上でよく青い服のイラストが描かれていますが、元々は赤い服だったのです。
服の色の変化については以下の記事で考察しています。
巨神兵復活のタイミングと姿
物語のキーパーソンでかつて火の7日間で全世界を滅ぼした巨神兵。
映画版ではクシャナにより復活しましたが、大海嘯という緊急事態で急遽予定より早く復活させたため、体がドロドロ状態でビームを僅か2発撃って崩壊しました。
対して原作では土鬼の手に渡って割と遅い時期で復活しました。
その姿は映画とは違って完全体で文字通り火の七日間当時世界を滅ぼした生物の強さを披露してくれます。名はオーマで人と対話することも可能。
巨神兵がこんなに頭がいいのは不完全のまま復活した映画版では想像できないことです。
さすがに巨神兵が何十体も投入されたら、世界が滅んでしまうのも納得できます。
巨神兵の強さは以下の記事で考察済みです。
ナウシカの父ジルの最後
映画と原作ではナウシカのジルの最後にも違う点があります。
映画では風の谷に襲来したトルメキア兵により命を奪われますが、原作ではナウシカの身を案じながら静かに生涯を終えました。
なんども述べますが、原作と映画では状況が全く違うのでジルの最後もある程度の変更せざるをえません。
彼は病に倒れる前は相当強い剣士でしょうが、芯の強さもあります。ナウシカはジルの心の強さを引き継いだかもしれません。
その強さを最後の最後まで披露してくれたジルは本当にかっこいいです。
まとめ
ここまで風の谷のナウシカの原作漫画版と映画版の違いを考察しました。
- 漫画版の方が登場人物が多く、土鬼のミラルパやナムリスなど多くの人物が登場する
- トルメキア本国の描写は原作漫画版でしか見られない
- ペジテは原作ではアスベル1人しか生き残っていないが、映画では生き残りが多い
- 赤い服の持ち主は原作では土鬼マニ族の娘さんが、映画ではペジテのラステルが所有していた
- 巨神兵は原作では遅めに復活するが完全体。対して映画では終盤不完全な形で復活する
- ジルは原作では静かに生涯を終え、映画ではトルメキア兵により命を落とす
管理人は原作アニメ両方とも堪能していますが、これだけ違う点があることが伺えます。
こういった視点からナウシカを楽しむのもいいですね。
最後まで当ブログの記事を読んでくださってありがとうございます。